【ガマク(がまく)】
これは部位としては、丹田を中心とした腰全体を指します。
「ガマクを入れる」「ガマクを使う」とは、丹田に集めたエネルギーを左右の股関節を使うことによって「力」に変化させることを意味します。

さて、この「がまく」という言葉、これを日本語にどう訳すか?

実は、これがないのです。「がまく」は日本語に訳せない。
「がまく」を「腰」だと思っている方もいらっしゃいますが、「腰」はうちなぁぐちでは「くし」と言い、「がまく」とは区別しているのです。
「がまく」は日本語には訳せないが、英語ならば「ウエスト」という語に訳せます。したがって、「ウエスト」を日本語で何と言うか調べれば「がまく」の日本語訳が分かると思い国語辞典を調べると、「人体や洋服で、胴の一番細くくびれた所」とあります。

ガマクを入れる(ガマクヲイレル)
「ガマク」とは、腰と上体をつなぐ横腹あたりの筋肉の柔らかい部分のことで 「ガマクを入れる」とは、左または右のガマクに微妙なイキ(呼吸)で力をため込むことをいいます。ガマクを入れることにより、腰の安定と上体の姿勢がきまり、ガマクの操作は琉球舞踊のかなめをなす技法といえます。

ガマクというのは要するに膝抜きのことです。
膝抜きとは、片足の膝を抜いてもう片方の足に瞬間的に体重をかけることで、 発生する反力を移動や打撃力に利用する技法です。
この時重要なのは、体勢を崩さず膝を抜く前と同じ状態のまま 次の動作に移行することです。
そうしないと反力がうまく使えません。


【ムチミ(鞭身)】

ムチミとは「鞭身」とも書き、簡単に言えば鞭のような体のしなりを利用した体の使い方です。 例えば、その場突きや、追い突き等で右の突きを出すとき、腰も反時計回りに回転しますが、突きが決まる一瞬には腰は逆に時計回りに回ります。 この動作を行うことにより、脱力した拳が二段ロケットのように加速されます。

首里手の特徴は、離れた間合いで戦う事。そしてムチミを効かせた身体操作を行う事。
ムチミとは"鞭身"と書き、文字通り体を鞭(あるいは竹)のように使います。
体を鞭のように振ることで先端部(正拳)が筋力では出し得ない速度を得ます。
俊敏な動作が要求されるため、身の軽い者に適しているといわれます。

体幹をコントロールするムチミについて、身体の中心軸を起点にして体幹をコントロールしていくトレーニングに なりますが、この養成法を琉球武術では「ムチミ」中国武術では「スワイショー」などと呼びます。

これは背骨付近を軸にして身体をでんでん太鼓のように捻転させて、脱力した両腕を 体幹に巻き付けるイメージで行います。

鞭のようなスナップを生かした突きではありますが、肘の正中線への激突と前腕のしなりそして指の締めによるスナップを使うとの事。
その際、肩や腰を動かしたりデンデン太鼓のような操作は全くしないそうです。


【チンクチ(一寸力)】

寸力とは筋肉の屈筋、収縮動作によって発力し、硬度や威力を増す方法。

チンクチは、脇から背にかけての筋肉群。「チンクチを掛ける」とは、力を脚からチンクチの筋肉群を通じて拳に抜けさせること。

広背筋あたりの筋肉と関節を強く、硬く引き締める動きを指します。
「一寸力」と書くそうで、少しの力でも、最大限の効果を発揮することを意味します。

チンクチとは押しの強い姿勢です。
足を前屈立ちに開いて上体は正面を向いて真っ直ぐにします。
この状態なら左右どちらの腕でも強く前を押せます。
上体をひねりすぎたり肩を出し過ぎてはいけません。
完全に半身になった場合も強く押すことができます。

顔・腕・足が一直線上になることを表します。

強く押せるということは力を伝えられるということです。
チンクチの体勢でガマクをかければ《寸勁》になります。

具体的に言うと、突きを出すときに、三角筋や僧房筋を収縮(しめる)することで突きの初速を早くする方法と言われます。突き手の内側の筋肉を収縮させることで外側の筋肉を逆に伸ばし、突きの速度、威力を出すのが目的で、接近間合いにおいて短い距離で強力な打撃を行うための秘訣といわれます。
わかりにくい説明ですが、チンクチをかけるとは、筋肉をロックして突きの威力、速度を増すことだということになります。

 


【息吹】

息吹とは簡単に言えば《逆腹式呼吸》と言われる『丹田呼吸』の事です。

腹式呼吸は息を吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にへこみます。

逆腹式呼吸は息を吸った時にへこみ、吐いた時に膨らみます。

息吹を行うことで精神を整え、気の流れを高めることができます。

そして筋肉をしなやかにすることができます。

空手における自己の身体能力をより適したものにする為です。